子どもの語彙力・読解力を伸ばす家庭習慣とおすすめ本10選
「うちの子、言葉が少ない気がする…」
「読解問題になると急に点が取れなくなる…」
このような悩みは、国語だけでなくすべての教科に関わる「語彙力」と「読解力」の課題から来ている可能性があります。
- 語彙力と読解力は“学力のエンジン”
- 近年、語彙力・読解力の低下が指摘されている
- 語彙力・読解力は、家庭で伸ばせる
- 次の章では…
- 習慣①|毎日の「3行日記」で語彙と思考を言葉にする
- 習慣②|読み聞かせを「声に出す読書」へステップアップ
- 習慣③|「語彙クイズ」で遊びながら言葉を増やす
- 習慣④|「おはなしづくり」で創造力+語彙を伸ばす
- 習慣⑤|家族の会話に“ことばのテーマ”を加える
- 習慣⑥|「疑問ノート」で思考と言葉のストックを作る
- 習慣⑦|「寝る前10分読書」で“言葉の貯金”を毎日コツコツ
- 習慣⑧|「辞書ひき学習」で語彙を自分で獲得する習慣を
- 習慣⑨|感情語・表現語を“遊びの中”で意識させる
- 習慣⑩|「ことばのボードゲーム」で遊びながら定着
- 年齢別・目的別!語彙力・読解力を伸ばすおすすめ本10選
- 読書・語彙力アップを習慣化する3つのコツ
- よくある質問(Q&A)
- まとめ|毎日の小さな習慣が、大きな言葉の力になる
語彙力と読解力は“学力のエンジン”
小学校以降、すべての教科は「読む」「理解する」「表現する」力が求められます。
たとえば…
- 算数:文章題の意味を読み取る
- 理科:観察記録を読み、結果を説明する
- 社会:資料を読み取り、自分の意見を述べる
このように、教科書の内容や設問の意図を読み解く力、すなわち読解力と、
そのための語彙力(知っている言葉の数・使える幅)がなければ、正しい理解もアウトプットもできません。
近年、語彙力・読解力の低下が指摘されている
文部科学省の調査でも、
「教科書は読めても、その意味や背景を十分に理解できていない子が増えている」
「子ども同士の語彙の格差が広がっている」
…といった結果が出ています。
特に近年は、
- 短文・会話中心のSNS文化
- 映像や動画による受動的な情報摂取
- 家庭での読書時間・会話時間の減少
などが要因として挙げられ、語彙が増えない・読解に苦手意識を持つ子が増えてきています。
語彙力・読解力は、家庭で伸ばせる
では、塾に通わないと語彙力は伸びないのでしょうか?
答えはNOです。
むしろ、語彙力・読解力は日常の中でこそ自然に育つ力。
家庭での会話・読書・ちょっとした遊びや習慣の中に、伸ばすチャンスがたくさんあるのです。
この記事では、
- 語彙力・読解力をぐんぐん伸ばす家庭習慣10選
- すぐに使える“言葉がけの工夫”
- 年齢別・おすすめの本10冊(家庭読書習慣に最適)
をわかりやすくご紹介していきます。
「読み書きが好きになる」「言葉の力が伸びる」家庭の環境を、ぜひ今日から一緒に整えてみましょう。
次の章では…
第2部:語彙力・読解力を育てる家庭習慣10選をお届けします。
「今日からすぐできる」実践的な工夫を、具体的な声かけ例つきでご紹介します。
習慣①|毎日の「3行日記」で語彙と思考を言葉にする
1日1回、自分の気持ちや出来事を3行で書く「3行日記」は、語彙・文の構成力・要点整理力を育てる最高の習慣です。
◎やり方
- 毎晩、寝る前に「今日のこと」「楽しかったこと」「頑張ったこと」などテーマを決めて書く
- 親子で交換日記形式にするのもおすすめ
◎声かけ例
- 「今日一番心が動いたのはどんなときだった?」
- 「それを言葉にすると、どんなふうに書けるかな?」
◎期待できる効果
- 思ったことを言語化する力がつく
- 自分の体験を客観視する力が育つ
◎補助アイテム
- 「3行でOK!小学生用日記帳」
- 自作テンプレート(時間・出来事・気持ち)
習慣②|読み聞かせを「声に出す読書」へステップアップ
幼児期にしていた読み聞かせを、小学生では「自分の声で読む」ステージに変えることで、語彙と理解が定着します。
◎やり方
- 1日1話、好きな本を声に出して読む
- 読んだ後に「どう思った?」と会話に発展させる
◎声かけ例
- 「この言葉、どういう意味だと思う?」
- 「ここ、〇〇ちゃんだったらどうする?」
◎効果
- 音読で語彙のインプット+読解力アップ
- 感情や背景への想像力が養われる
◎おすすめ本(例)
- 『こども日本昔ばなし』シリーズ
- 『声に出して読みたい日本語』(小学生版)
習慣③|「語彙クイズ」で遊びながら言葉を増やす
ゲーム感覚で語彙を増やすと、言葉が“楽しい”ものになり、記憶にも残りやすくなります。
◎やり方
- 毎日1語、新しい言葉をクイズ形式で出す
- 「類語」「反対語」「使い方例」を一緒に考える
◎声かけ例
- 「“感動”って、どんなときに使う言葉かな?」
- 「“必死”の反対の言葉ってなんだろう?」
◎効果
- 語彙のネットワークが広がる
- 言葉の使い分け・ニュアンス理解が深まる
◎補助アイテム
- 語彙カード(市販 or 自作)
- 『ことばのワークドリル』シリーズ
習慣④|「おはなしづくり」で創造力+語彙を伸ばす
親子で交互にストーリーを作る「おはなしごっこ」は、言葉の使い方と論理のつなぎ方を自然に学べる遊びです。
◎やり方
- 親子で1文ずつ交代で話を続けていく(例:「ある日、うさぎが…」)
- 絵を描いて「絵本ごっこ」にしても◎
◎声かけ例
- 「次はどうなったと思う?」
- 「“びっくり”ってどんな言葉で表せるかな?」
◎効果
- 場面展開を考える論理的思考が育つ
- 接続詞や感情語の語彙が豊かになる
◎補助アイテム
- オリジナルストーリーカード
- 「5コマ漫画で物語づくり」教材
習慣⑤|家族の会話に“ことばのテーマ”を加える
日常会話に「テーマ」や「問いかけ」を加えると、会話の質と語彙の幅が一気に広がります。
◎やり方
- 食事中や移動中に「今日の気づき」「一番驚いたこと」などをテーマに話す
- 自分の気持ちや理由も一緒に表現させる
◎声かけ例
- 「なんでそう思ったの?」
- 「“〇〇”って言葉、他にどんな言い方があるかな?」
◎効果
- 自分の考えを言語化する練習になる
- 語彙の“使い分け”感覚が身につく
◎補助アイテム
- 「話題カード」や「問いかけトランプ」
習慣⑥|「疑問ノート」で思考と言葉のストックを作る
子どもが「なんで?」「どうして?」と思ったことを自由に書ける「疑問ノート」は、語彙と論理をつなぐ土台になります。
◎やり方
- 1日1回、気になった言葉や疑問を自由に書く
- 親子で一緒に調べて、分かったことも書き足す
◎声かけ例
- 「“けんちく”ってどんな仕事だと思う?」
- 「“ふしぎ”だと思ったこと、ノートに書いてみよう」
◎効果
- 「知りたい→調べる→言葉にする」の思考習慣がつく
- 語彙の定義や使い方を深く理解できる
◎補助アイテム
- 「わかったことノート」(学研)
- ことば調べ辞典(例:ポプラディアなど)
習慣⑦|「寝る前10分読書」で“言葉の貯金”を毎日コツコツ
寝る前の読書タイムは、集中力も高く、語彙のインプットに最適な時間です。
◎やり方
- 毎晩、決まった時間に10〜15分の読書習慣をつける
- 親も一緒に本を読む姿を見せると、効果倍増
◎声かけ例
- 「この言葉、今日覚えたね! 明日も使ってみよう」
- 「今日の本の中で一番気に入った言葉、なに?」
◎効果
- 語彙が無理なく毎日インプットされる
- 文章構造や表現のパターンが自然と身につく
◎補助アイテム
- 読書記録カード(図書館風のチェック表)
- 「寝る前10分シリーズ」など短編集
習慣⑧|「辞書ひき学習」で語彙を自分で獲得する習慣を
自分で調べる→書く→定着する、というサイクルが自然とできるようになるのが「辞書ひき学習」の魅力です。
◎やり方
- わからない言葉を辞書で調べ、調べた回数を記録
- 1ヶ月で何語調べたかチャレンジ形式にする
◎声かけ例
- 「この言葉、調べてみようか!」
- 「一緒に“ことばの探偵”になってみよう」
◎効果
- 調べる→理解→使う、の流れが定着
- 辞書の活用力+情報リテラシーが育つ
◎補助アイテム
- 小学生向け国語辞典(例:ドラえもん辞典など)
- 「辞書ひき学習ノート」
習慣⑨|感情語・表現語を“遊びの中”で意識させる
気持ちや表現を言葉にすることで、語彙のバリエーションが一気に増えます。
◎やり方
- カードや絵を使って「どんな気持ち?」を言語化
- 日常会話でも感情語に置き換える遊びを取り入れる
◎声かけ例
- 「この絵、どんな気持ちに見える?」
- 「“うれしい”以外の言葉で言ってみて!」
◎効果
- 感情理解+表現語彙が豊かになる
- 自分の思いを他人に伝える力が育つ
◎補助アイテム
- 「こころの言葉カード」
- 感情を表すイラスト絵本
習慣⑩|「ことばのボードゲーム」で遊びながら定着
言葉を使うボードゲームは、楽しく競いながら語彙を増やす最高の方法です。
◎やり方
- しりとり・連想ゲーム・語彙しばりゲームなどを家族でプレイ
- ルールを子どもが工夫することで、読解・論理力もUP
◎声かけ例
- 「“か”から始まる“食べ物”だけでしりとりしてみよう!」
- 「この言葉、別の言い方で表すと?」
◎効果
- 語彙の定着+活用力が楽しく身につく
- ルール理解・創造性・論理性も同時に育つ
◎補助アイテム
- 『もじぴったん』『言葉のドミノ』『ことばの王様』など市販ゲーム
年齢別・目的別!語彙力・読解力を伸ばすおすすめ本10選
ここでは「幼児」「低学年」「中学年〜」それぞれに合った、語彙や読解力を伸ばすのに効果的な本を紹介します。
◎幼児(3〜6歳)におすすめ
- 『だるまさんが』シリーズ(かがくい ひろし)
音の繰り返しが楽しく、言葉のリズム感を育てる。 - 『くっついた』(三浦 太郎)
言葉とイメージの一致を自然に体験できる一冊。
◎低学年(小1〜2)におすすめ
- 『どっちがへん?言葉のパズル』
語彙力と語感を遊びながら鍛えられる。 - 『おしりたんてい』シリーズ
謎解きを通じて語彙+読解力+論理的思考も養える。
◎中学年〜高学年(小3〜)におすすめ
- 『かいけつゾロリ』シリーズ
軽快なテンポと語彙の幅広さが特徴。 - 『10分で読める伝記』シリーズ
短時間で読解力+背景理解が深まる構成。 - 『こども大辞典』(ポプラ社)
辞書ひき学習に最適。イラスト付きで理解が進む。
◎すべての年齢でおすすめの読書補助本
- 『読書ノート』(くもん)
感想・印象的な言葉を書き留めて語彙の定着へ。 - 『ことばのえじてん』(岩崎書店)
“気持ちを言葉で表す”練習にぴったり。 - 『イメージでわかる国語辞典』(学研)
語彙+図解で「言葉の意味のネットワーク」が育つ。
読書・語彙力アップを習慣化する3つのコツ
- ①読書を「特別なこと」にしない
「歯みがきと同じように」読書を日常に。 - ②親子で「共有」する
「何を読んだ?」「どうだった?」の会話が継続のカギ。 - ③語彙は“使って”覚える
学んだ言葉をゲームや作文、会話で使ってみよう。
よくある質問(Q&A)
- Q1. 読書が苦手な子でも大丈夫?
- A. 最初は絵が多めの本や、読んで聞かせるスタイルでOKです。まずは「楽しい!」という感覚を育てましょう。
- Q2. 漢字や語彙が難しいと読まなくなります。
- A. 年齢より下のレベルの本を選ぶのも◎。「読めた!」という達成感を優先すると意欲が育ちます。
- Q3. 語彙力って結局どう評価すればいいの?
- A. 日々の会話や作文に「新しい言葉」が自然に出てきていれば、十分成長しています。
まとめ|毎日の小さな習慣が、大きな言葉の力になる
語彙力・読解力は、家庭でのちょっとした工夫と声かけで大きく伸ばせる力です。毎日5分の習慣でも、半年後には子どもの言葉が見違えるほど変化します。
本記事で紹介した「10の家庭習慣」や「おすすめ本」を、ぜひ明日から取り入れてみてください。子どもの未来に大きな力を与える、最高のギフトになるはずです。
ぜひブックマークして、いつでも実践できるようにしておいてくださいね。
コメント